婚約者に売られたドン底聖女ですが敵国王子のお飾り側妃はじめました
「オディーリア。それを飲んで、早く俺のこの傷を治してくれ。血が止まらないんだ」
大した傷でもないのにわめきたてているイリムを無視して、オディーリアはレナートに向き直った。
「これでやっと、あなたの役に立てる。本物の女神になれるわ」
オディーリアのこの笑顔で、レナートは彼女のこれまでの言動の理由に思い至った。
「そういうことか」
「私が誰を思っているか、レナートが一番わかってくれているでしょう」
オディーリアはふふっと花がほころぶような笑みを見せた。そんな彼女の背中にイリムは叫び続ける。
「オディーリア。どういうことだ? 早く俺を助けてくれ」
オディーリアは振り返って、イリムににっこりと笑いかけた。
「もう助けたわ」
「は?」
「私が助けたかったのは解毒剤。あなたはもう用済みよ」
大した傷でもないのにわめきたてているイリムを無視して、オディーリアはレナートに向き直った。
「これでやっと、あなたの役に立てる。本物の女神になれるわ」
オディーリアのこの笑顔で、レナートは彼女のこれまでの言動の理由に思い至った。
「そういうことか」
「私が誰を思っているか、レナートが一番わかってくれているでしょう」
オディーリアはふふっと花がほころぶような笑みを見せた。そんな彼女の背中にイリムは叫び続ける。
「オディーリア。どういうことだ? 早く俺を助けてくれ」
オディーリアは振り返って、イリムににっこりと笑いかけた。
「もう助けたわ」
「は?」
「私が助けたかったのは解毒剤。あなたはもう用済みよ」