婚約者に売られたドン底聖女ですが敵国王子のお飾り側妃はじめました
「私はレナートに出会ったあの日に魂が宿ったのかもしれません。ロンバルでは意思のないお人形だと言われていました。でも今はたくさんの感情があります。クロエやマイトが大好きだし、レナートを幸せにしてあげたいと思うし、それに自分も幸せになりたいです! 自分がこんなふうに変われるなんて、思ってもいなかった」
「そうか」
レナートはいつくしむような眼差しでオディーリアを見つめ、微笑んだ。
「オディーリア。さっきあの男から手に入れた解毒剤を見せてくれ」
「これですか?」
オディーリアはブレスレットをレナートに差し出す。彼はそれを受け取るやいなや、天幕の外に向かって放り投げてしまった。大粒のエメラルドがキラリと宙で輝いた。
「あぁ。なんてことを!」
オディーリアは外を見つめて、落胆のため息を落とす。レナートはくしゃりと破顔すると、幼い子供をあやすようにオディーリアの身体を高く持ち上げた。
「わっ」
「白い声は不要だ。そんなものなくても、オディーリアは永遠に俺の女神だ」
レナートはゆっくりとオディーリアに顔を近づける。鼻先は触れ合う距離でそっとささやいた。
「愛してる、俺のオディーリア」
「そうか」
レナートはいつくしむような眼差しでオディーリアを見つめ、微笑んだ。
「オディーリア。さっきあの男から手に入れた解毒剤を見せてくれ」
「これですか?」
オディーリアはブレスレットをレナートに差し出す。彼はそれを受け取るやいなや、天幕の外に向かって放り投げてしまった。大粒のエメラルドがキラリと宙で輝いた。
「あぁ。なんてことを!」
オディーリアは外を見つめて、落胆のため息を落とす。レナートはくしゃりと破顔すると、幼い子供をあやすようにオディーリアの身体を高く持ち上げた。
「わっ」
「白い声は不要だ。そんなものなくても、オディーリアは永遠に俺の女神だ」
レナートはゆっくりとオディーリアに顔を近づける。鼻先は触れ合う距離でそっとささやいた。
「愛してる、俺のオディーリア」