婚約者に売られたドン底聖女ですが敵国王子のお飾り側妃はじめました
イリムは意外な話を聞いたとでも言いたげに、小首をかしげた。
「あいつがぁ?」
「は、はい。オディーリア様を失ったのは、我が軍にとってあまりに大きな損失です!」
「うるさいな! あいつはもういない。いいから何とか兵を集めろ」
ロンバル軍の天幕に、イリムのヒステリックな叫び声が響いた。だが、どんなに叫んだところで兵が集まるはずもなく……イリムは敗戦の将となり、逃走するほかなかった。
「くそ、くそ、くそっ。オーディリアを売っ払ったのは失敗だったのか?」
イリムはガリガリと爪を噛んだ。これは苛立ったときの彼の癖だ。
「おいっ」
そして、乱暴な口調で部下を呼ぶ。
「なんでしょうか、イリム殿下」
「オディーリアを探し出せ」
「は、はぁ?」
「いいから探し出せ!」
イリムは蔑むような笑みを浮かべてこう言った。
「あいつは綺麗なだけのお人形さんだ。戻れと言えば、すぐに従うだろうさ」
「か、かしこまりました!」
「あいつがぁ?」
「は、はい。オディーリア様を失ったのは、我が軍にとってあまりに大きな損失です!」
「うるさいな! あいつはもういない。いいから何とか兵を集めろ」
ロンバル軍の天幕に、イリムのヒステリックな叫び声が響いた。だが、どんなに叫んだところで兵が集まるはずもなく……イリムは敗戦の将となり、逃走するほかなかった。
「くそ、くそ、くそっ。オーディリアを売っ払ったのは失敗だったのか?」
イリムはガリガリと爪を噛んだ。これは苛立ったときの彼の癖だ。
「おいっ」
そして、乱暴な口調で部下を呼ぶ。
「なんでしょうか、イリム殿下」
「オディーリアを探し出せ」
「は、はぁ?」
「いいから探し出せ!」
イリムは蔑むような笑みを浮かべてこう言った。
「あいつは綺麗なだけのお人形さんだ。戻れと言えば、すぐに従うだろうさ」
「か、かしこまりました!」