婚約者に売られたドン底聖女ですが敵国王子のお飾り側妃はじめました
「ま、たしかに童顔だが、マイトの剣は本物だ。アーリエに着いたら、見せてもらえ」
「んじゃ、レナート様が相手してくれます?」
「いいな、久しぶりにやるか」
レナートとマイトは本当に兄弟のように仲がいい。ふたりが同時にオディーリアに手を差し出した。
「行くぞ、オディーリア」
「早くアーリエに帰ろっ」
レムの街からアーリエまではあっという間だった。
初めて訪れた他国の都というものは、オディーリアの目にはとても新鮮にうつった。ロンバルの首都メレムは、花と緑があふれる華やかな街だ。街道にはいつもたくさんの店が出ていて賑やかだった。対するナルエフの首都アーリエは、重厚で要塞のような雰囲気がある。曇り空によく似合う、石造りの建物が整然と並んでいる。
「どこへ向かうのですか?」
「俺の城。もう、すぐそこだ」
ナルエフは軍事に重きを置いている国だとはオディーリアも聞いたことがあった。おそらく、この国の将軍の地位はロンバルでのそれより高いのだろう。
そんなふうに思ってはいたが、実際に目の前にしたレナートの城はオディーリアの想像以上に立派で驚いてしまった。使用人の数も多い。みんな、物珍しそうにオディーリアを見ている。
「んじゃ、レナート様が相手してくれます?」
「いいな、久しぶりにやるか」
レナートとマイトは本当に兄弟のように仲がいい。ふたりが同時にオディーリアに手を差し出した。
「行くぞ、オディーリア」
「早くアーリエに帰ろっ」
レムの街からアーリエまではあっという間だった。
初めて訪れた他国の都というものは、オディーリアの目にはとても新鮮にうつった。ロンバルの首都メレムは、花と緑があふれる華やかな街だ。街道にはいつもたくさんの店が出ていて賑やかだった。対するナルエフの首都アーリエは、重厚で要塞のような雰囲気がある。曇り空によく似合う、石造りの建物が整然と並んでいる。
「どこへ向かうのですか?」
「俺の城。もう、すぐそこだ」
ナルエフは軍事に重きを置いている国だとはオディーリアも聞いたことがあった。おそらく、この国の将軍の地位はロンバルでのそれより高いのだろう。
そんなふうに思ってはいたが、実際に目の前にしたレナートの城はオディーリアの想像以上に立派で驚いてしまった。使用人の数も多い。みんな、物珍しそうにオディーリアを見ている。