婚約者に売られたドン底聖女ですが敵国王子のお飾り側妃はじめました
(なんだこの女はって、思われてるんだろうな)
嫌われるのは慣れているが、だからといって気分がいいものではない。オディーリアは小さくため息をついた。
「悪いな。この城に女を連れてきたのは初めてだから、みんな驚いてるんだ」
レナートが言うと、マイトが補足して説明してくれる。
「レナート様の身分なら、奥さんは7~8人くらいいてもいいんだけどね。まだひとりもいないんだ」
妻が7~8人というところにオディーリアは衝撃を受けたが、マイトの説明によるとナルエフは一夫多妻を可としていて、身分の高い男は複数の妻を持つのだそうだ。
「ロンバルは王様でも奥さんはひとりだけなんでしょ? 僕からしたら、そっちのがびっくりだけどな」
「はい。もちろん権力者には愛人がいたりしますが、彼女達に地位の保障はありません」
「なるほど。愛がなくなったら、放り出されちゃうのか~それはそれで、大変だなぁ」
マイトはなぜか愛人側の視点で、彼女らの境遇に同情している。
「ロンバルの民と我々とでは、民族的なルーツが異なるからな。文化の違いは色々あるだろう」
外見はさほど変わらないし、言葉も訛り程度の差異しかないが、やはりここは異国なのだなとオディーリアは改めて実感した。
嫌われるのは慣れているが、だからといって気分がいいものではない。オディーリアは小さくため息をついた。
「悪いな。この城に女を連れてきたのは初めてだから、みんな驚いてるんだ」
レナートが言うと、マイトが補足して説明してくれる。
「レナート様の身分なら、奥さんは7~8人くらいいてもいいんだけどね。まだひとりもいないんだ」
妻が7~8人というところにオディーリアは衝撃を受けたが、マイトの説明によるとナルエフは一夫多妻を可としていて、身分の高い男は複数の妻を持つのだそうだ。
「ロンバルは王様でも奥さんはひとりだけなんでしょ? 僕からしたら、そっちのがびっくりだけどな」
「はい。もちろん権力者には愛人がいたりしますが、彼女達に地位の保障はありません」
「なるほど。愛がなくなったら、放り出されちゃうのか~それはそれで、大変だなぁ」
マイトはなぜか愛人側の視点で、彼女らの境遇に同情している。
「ロンバルの民と我々とでは、民族的なルーツが異なるからな。文化の違いは色々あるだろう」
外見はさほど変わらないし、言葉も訛り程度の差異しかないが、やはりここは異国なのだなとオディーリアは改めて実感した。