婚約者に売られたドン底聖女ですが敵国王子のお飾り側妃はじめました
「あの、必要ないです。別に私は高貴な生まれでもなんでもないので、自分のことくらい自分でできます。むしろ……掃除とか、なにか仕事をもらいたいくらいなんですが」
レナートは腕を組み、うーんと首をひねった。
「そう言われても、もう連れてきちゃったしなぁ。な、クロエ」
レナートが呼ぶと、部屋の扉からぴょこりと女の子が顔をのぞかせた。
年はオディーリアと同じくらいだろうか。艶のある黒髪が美しく、利発そうな顔立ちをしている。
(なんとなく誰かに似ているような……)
オディーリアの予想は当たっていた。
「ハッシュの妹のクロエだ。顔はよく似てるが、あいつとは違って素直で気立てのいい娘だ」
レナートが言うと、クロエはぺこりと頭を下げた。
「クロエです。よろしくね、オデちゃん」
「オ、オデちゃん……」
「マイトがそう呼べって言ったのよ。あ、奥方様とかって呼ばれたかった?」
「オデちゃんでいいです……」
「じゃ、決まり! 私のことはクロエって呼んでね」
(あ、そこはクロちゃんじゃないのね……)
レナートは腕を組み、うーんと首をひねった。
「そう言われても、もう連れてきちゃったしなぁ。な、クロエ」
レナートが呼ぶと、部屋の扉からぴょこりと女の子が顔をのぞかせた。
年はオディーリアと同じくらいだろうか。艶のある黒髪が美しく、利発そうな顔立ちをしている。
(なんとなく誰かに似ているような……)
オディーリアの予想は当たっていた。
「ハッシュの妹のクロエだ。顔はよく似てるが、あいつとは違って素直で気立てのいい娘だ」
レナートが言うと、クロエはぺこりと頭を下げた。
「クロエです。よろしくね、オデちゃん」
「オ、オデちゃん……」
「マイトがそう呼べって言ったのよ。あ、奥方様とかって呼ばれたかった?」
「オデちゃんでいいです……」
「じゃ、決まり! 私のことはクロエって呼んでね」
(あ、そこはクロちゃんじゃないのね……)