婚約者に売られたドン底聖女ですが敵国王子のお飾り側妃はじめました
「ていうか、オデちゃん!」
クロエはがしっとオディーリアの腕をつかんだ。
「は、はい?」
「その敬語やめてよ! オデちゃんが主人で、私は侍女なんだからさ。どう考えてもおかしいでしょ?」
「では、お互いに敬語を使えばいいのでは?」
そもそもクロエが自分を主人だと思っているようにはまったく見えない。
(初対面からいきなりオデちゃんだったし……)
「え~それはダメよ! レナート様から友達になるようにって頼まれたもん」
クロエはそう言って、口を尖らせた。オディーリアは困った顔で、クロエに首を振って見せる。
「申し訳ありませんが……それは無理です。私には友達なんていたことありませんし、そもそも人に好かれる人間ではないので」
クロエはきょとんとした顔でオディーリアを見た。
「えっ……私はオデちゃん好きよ? かわいいから眺めてるだけでも飽きないし、何気に発言が面白いところも大好きよ」
「好き? 私を?」
「うん! ていうか、私の前にまずレナート様に好かれてるじゃない」
「あの人が……私を?」
クロエの言葉はオディーリアには知らない異国語のように聞こえる。彼女の思考の流れがさっぱり理解できないのだ。
クロエはがしっとオディーリアの腕をつかんだ。
「は、はい?」
「その敬語やめてよ! オデちゃんが主人で、私は侍女なんだからさ。どう考えてもおかしいでしょ?」
「では、お互いに敬語を使えばいいのでは?」
そもそもクロエが自分を主人だと思っているようにはまったく見えない。
(初対面からいきなりオデちゃんだったし……)
「え~それはダメよ! レナート様から友達になるようにって頼まれたもん」
クロエはそう言って、口を尖らせた。オディーリアは困った顔で、クロエに首を振って見せる。
「申し訳ありませんが……それは無理です。私には友達なんていたことありませんし、そもそも人に好かれる人間ではないので」
クロエはきょとんとした顔でオディーリアを見た。
「えっ……私はオデちゃん好きよ? かわいいから眺めてるだけでも飽きないし、何気に発言が面白いところも大好きよ」
「好き? 私を?」
「うん! ていうか、私の前にまずレナート様に好かれてるじゃない」
「あの人が……私を?」
クロエの言葉はオディーリアには知らない異国語のように聞こえる。彼女の思考の流れがさっぱり理解できないのだ。