婚約者に売られたドン底聖女ですが敵国王子のお飾り側妃はじめました
その夜、オディーリアは寝ずの看病を続けた。その甲斐あってか、翌朝のレナートの顔には生気が戻っていた。
「……だいぶ、楽になった」
「はい! 熱もかなり下がりましたし、頬にも赤みが戻ってます」
「お前も疲れたろう。俺はもう大丈夫だから少し休め」
オディーリアはぶんぶんと首を振った。
「疲れてなどいません。責任をもって看病すると約束しました。お邪魔じゃなければ……そばにいさせてください」
レナートは彼女の頬を撫でて、微笑んだ。
「では、そばにいろ」
レナートは軽い食事を取り、身体を起こせるまでに回復した。
「傷の包帯を、取り替えてもいいですか?」
「あぁ、頼む」
彼の背の矢傷はまだ生々しく、見ているほうが痛みを覚えるほどだった。
「痛みますか?」
「痛くない。と言ったら、嘘になるな」
オディーリアは白く細い指先で、そっと彼の傷をなぞった。そして、優しく口づけをした。この痛みを自分が貰うことはできないだろうかと、願いながら。
そのまま彼の背に体重を預けた。
「……だいぶ、楽になった」
「はい! 熱もかなり下がりましたし、頬にも赤みが戻ってます」
「お前も疲れたろう。俺はもう大丈夫だから少し休め」
オディーリアはぶんぶんと首を振った。
「疲れてなどいません。責任をもって看病すると約束しました。お邪魔じゃなければ……そばにいさせてください」
レナートは彼女の頬を撫でて、微笑んだ。
「では、そばにいろ」
レナートは軽い食事を取り、身体を起こせるまでに回復した。
「傷の包帯を、取り替えてもいいですか?」
「あぁ、頼む」
彼の背の矢傷はまだ生々しく、見ているほうが痛みを覚えるほどだった。
「痛みますか?」
「痛くない。と言ったら、嘘になるな」
オディーリアは白く細い指先で、そっと彼の傷をなぞった。そして、優しく口づけをした。この痛みを自分が貰うことはできないだろうかと、願いながら。
そのまま彼の背に体重を預けた。