ここは会社なので求愛禁止です! 素直になれないアラサー女子は年下男子にトロトロに溺愛されてます。
「お待たせ」

「うわ、すごい美味しそうです」

「普通だよ、普通」

「じゃあ早速頂きます」

「ど、どうぞ」

 ジッと俺の表情を伺っている。なんて可愛いんだろう。もう可愛いがさっきから止まらない。

「凄く美味しいです」

「そ、そう、よかったわ、お酒もどうぞ」

 安心したのか彼女も箸を持ち食べ始めた。
冗談抜きで本当に彼女の作った料理はどれも美味しかった。白いご飯に、小松菜と油揚げの味噌汁、豚ロースのネギ塩がけ、揚げ出し豆腐。
 どれもお酒にも合うし、もう今すぐにでも嫁にきてくれ! って言いたくなった。

「食器は俺が洗いますよ」

「え!? いいわよ、座ってて」

「ご馳走になったんで俺が洗います、今の時代は家事分担でしょ?」

「なっ……じゃあお願いします」

「ははは、じゃあ座ってて下さい」

 さりげなく俺は結婚しても家事分担してやりますアピール。あの驚いた反応からして気づいたに違いない。
 皿を洗い終わりソファーに座っている彼女の隣に腰を下ろすとスヤスヤと寝息を立てて眠っていた。
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