ここは会社なので求愛禁止です! 素直になれないアラサー女子は年下男子にトロトロに溺愛されてます。
 「安心し切ってるな……」

 嬉しい事でもあり、悲しい事でもある。
 密室で付き合ってる男女二人きりなんてもうやる事は決まってる、でもそれは彼女の頭にはないようだ。俺の家でご飯をご馳走した時は流石に付き合っていなかったから身体まで求めたら彼女からのレッテルが最低な男になってしまいそうなきがして、グッと我慢していた。

(とは言えキスは出会った直後にしちゃったんだけどな……)

 フニフニと彼女の唇を触ると「ん……」と反応する。

(あ〜これ以上はもうやばい、勃ちそうだわ)

「真紀、起きて」

 トントンと、肩を叩き彼女を優しく起こす。

「んん……、あ、ごめん、寝ちゃってた」

「大丈夫だよ、俺そろそろ帰りますね」

「え、あぁ、そうだよね! 外まで見送る」

 コートを羽織り二人でアパートを出た。

「お皿洗ってくれてありがとう」

「こちらこそ凄く美味しかった、また作ってくれますか?」

「も、もちろん!」

「あ、明日の休みって何してますか?」

「明日? 特に予定はないけど」

「じゃあ明日一日一緒に居たいんですけど、いい?」

「暇だからいいわよ」

「じゃあ十時ごろ迎えにきますね、泊まれる準備もしておいて」

「わかっ、……泊まれる準備!?」

「じゃあまた明日」

「え、ちょっとっ!!」

 驚き焦っている彼女の唇に軽くキスをし、有無を言わせないよう直ぐに帰った。あれで少しは俺のことを男だと意識してくれたかな……期待で胸が溢れる。
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