ここは会社なので求愛禁止です! 素直になれないアラサー女子は年下男子にトロトロに溺愛されてます。
「お、お邪魔します」

「くつろいでてください、俺ササっと昼ごはん作っちゃうんで」

「え、私も手伝う」

「じゃあ今日は一緒に作りましょうか」

「うん」

 買ってきた食材とお酒を冷蔵庫にしまい、簡単にパスタを作る事にした。
 私がパスタを茹でている間に松田がパスタの具材を用意してくれ、あっという間にトマトとツナのパスタが出来上がった。
 ダイニングテーブルにパスタを並べ、赤ワインをジンジャエールで割ったカクテル、『キティ』をグラスに注いだ。

「ん〜、やっぱり松田君のご飯は最高〜」

「夜ご飯も任せてくださいよ」

「付き合ったら毎日美味しいご飯作ってくれるって言ってたものね」

「ちゃんと覚えてたんですね」

 ニヤッと松田に見られ、松田との会話を覚えているとバレて恥ずかしくなる。

「ま、まぁね」

 けれど嬉しそうな松田を見て私も嬉しくなる。相手が嬉しい気持ちになると、自分も嬉しい気持ちになる……そんな幸せな気持ちがあるなんて今まで知らなかった。
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