ここは会社なので求愛禁止です! 素直になれないアラサー女子は年下男子にトロトロに溺愛されてます。
「……じゃあ今日は三人で」

 ガッと目を見開き冗談じゃない! と言いたげな驚いた顔で松田は私を見る。
 それに気づいていないのか「やった〜! 真紀さんありがとう〜」と大喜びで誠はご飯を食べ始めた。

 食べ終わったお皿は誠がお邪魔しちゃったお礼と言いながら洗ってくれている。
「ちょっと真紀来て」と小声で呼ばれたので後をついていき寝室に入るとグイッと抱き寄せられた。

「も〜、今日の夜は朝までイチャイチャする予定だったのに……」

「仕方ないよ、誠さんは大事な家族みたいな人でしょう?」

「そうだけど……じゃあちょっと充電させて?」

 ギュウッと抱きしめ合い静かにキスをした。
 ゆっくりと唇が離れてなんだか寂しい。

「……真紀の今の顔めっちゃエロい……」

「っえ!? 何言ってんのよ!」

「あー足りない」

 ――私もだ。

「もう! 戻るよ!」

 残念そうに肩を落としながらリビングに戻ると既に皿を洗い終えた誠がソファーにしかめっ面で座っていた。
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