ここは会社なので求愛禁止です! 素直になれないアラサー女子は年下男子にトロトロに溺愛されてます。
 ベットに先に入り、おいでと隣に彼女を引き寄せ抱きしめる。まだまだ緊張している様子の彼女の身体はカチカチに固まっており心臓がバクバクと脈打っている音がパジャマ越しでも感じ取れる。
 小柄な彼女はギュッと俺の胸に顔を埋め、すっぽりと俺に包まれている。彼女の艶のある綺麗な黒髪からはふんわりと自分と同じシャンプーの匂いがして胸が高鳴り、綺麗な黒髪にチュッとキスをした。      
 衝突的に好きと言う言葉が口から漏れた。

 ゆっくりと顔を上げた彼女の顔は耳まで真っ赤に染まっていてまるで熟れた林檎のように赤く艶めいていた。

「……私も」

 全身がブワッと熱くなる。
 彼女が素直に口にしてくれた事が嬉しくて涙が出そうになった。
 嬉しい、好きだ、幸せ、愛してる。
 唇が触れる程度のキスをした。
 それ以上したら我慢が出来なくなりそうだったからだ。
 抱きたい気持ちをグッと我慢し、俺は彼女の頭を優しくずっと撫で続けた。
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