ここは会社なので求愛禁止です! 素直になれないアラサー女子は年下男子にトロトロに溺愛されてます。
 車を走らせ三十分しない所にある大型ショッピングモール。立体駐車場に車を駐め三人でモール内に入った。

「買い物っても誠は何を買いに来たんだ?」

「え〜そりゃ新しい服とか、下着とかに決まってるじゃないっ!」

 テンション高めに誠が返答し、やはり見た目は完璧に可愛い女子だ。

「せっかく真紀さんがいるんだもん女同士で洋服とか見たくて〜、ね? 真紀さん!」

「え、えぇ、そうね、あんまり友達とかと洋服見たりしないから新鮮だわ」

「じゃあ、俺が真紀に似合う服を選びますよ」

「えー大雅が選ぶより絶対私が選んだ方が可愛いから! ね、後で二人で下着見に行きましょう?」

「おい! お前は要らないだろ!」

「え、私いつもつけてるわよ? だから胸の膨らみがあるでしょうよ!」

 二人の話がどんどん飛んでいくので、あはは、と笑いが止まらなくなる。
 なんだかんだ言い争いながらレディース物の服屋に入り色んな服を見て回った。
 誠は見た目は完璧に女性だ。昨日のお風呂上がりはいつもクルクルに巻いてある髪がストレートになっていて、化粧もしていない状態だと完全に見た目はロン毛の男の人だった。
 けれどレディースの服を着てメイクをしっかりと施すと女子顔負けの可愛い女の子に大変身する。
 この短時間一緒にいるだけで誠は可愛くて素直な人なんだと分かった気がする。
< 144 / 232 >

この作品をシェア

pagetop