ここは会社なので求愛禁止です! 素直になれないアラサー女子は年下男子にトロトロに溺愛されてます。
「真紀」

 心地の良い松田の声が私の身体を優しく包み込むように耳に響く。
 スッと私の頭の後ろまで伸びてくる温かな手を受け入れ、彼の薄くて柔らかい唇も受け入れた。いや、映画を見ている最中から本当はずっとずっと欲しくて堪らなかった。

「んぅ……ふっ……」

 自分の声とは思えないほどの甘い声。

「っつ……松田くんっ……もっ、んんっ」

「大雅」

「ふぇ……」

 驚いて目を開けると真剣な眼差しで私をジッと見つめる。今は眼鏡をかけていないせいか目を遮るレンズはなく松田の綺麗な黒い瞳が更によく見え、ビクリとも動かず私を捉える。

「真紀に松田君って呼ばれるのも好きですけど、大雅って名前で呼んで?」

「えっ、ちょっと……」

「呼んでくれるまで止めない」

「まッ……んん……」

 何度も止めようと口を離すがすぐに引き寄せられ松田の熱い舌が私の中で追いかけ回し、なかなか逃げられない。
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