ここは会社なので求愛禁止です! 素直になれないアラサー女子は年下男子にトロトロに溺愛されてます。
 思わずポカポカと必死に彼の胸を叩くがそんな小さな抵抗は全く効かない。
 段々唇が痺れ頭がポーッと何も考えられなくなる。

「真紀? 早く呼ばないと止められないですよ?」

「もっ……無理っ……」

 息が切れて上手く喋れない。ジワっと涙が出てきた。悲しいとかじゃない。何故か出てきてしまうのだ。

「あーもうッ! 何でそんなに可愛いかな〜」

 ギュゥっと私を抱きしめる松田の下半身が熱くなっているのがハッキリと分かり、なんだかお腹の底がムズッともどかしい。

「抱くよ」

 彼の低音ボイスが私の耳にダイレクトに響き身体中をゾクゾクと駆け巡る。
 「抱いて」なんて恥ずかしくて言えない。そのかわり自分から松田の唇にそっと唇を合わせた。抱いてくださいという意味を込めて――




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