ここは会社なので求愛禁止です! 素直になれないアラサー女子は年下男子にトロトロに溺愛されてます。
 誠の事を説明した。男だけど女の子みたいに可愛くて、松田は誠の事を家族同然と言っているけど、誠は多分違う。女の勘だけど誠は松田の事を好き、いや、愛してるのかもしれない。

「なるほどね、それは強敵ね〜松田にとっては家族同然の相手に嫉妬されても、ってなるかもね」

「でしょ〜、だから何も言えないのよ」

「でも言わないでずっとその中途半端ポーカーフェイスが持つとは思わないわよ? ウザがれるのを覚悟の上で話してみたら? まぁそこで松田が真紀の事ウザがったら私がぶん殴ってやるわよ、このちっさい男が! ってね」

「涼子〜〜〜」

「でもまぁ、あたしはそんな事でウザがるような男に見えないけどね、松田は」

 それは私もわかっているつもりだ。松田はきっと話をすればしっかり聞いてくれ受け止めてくれると思う。それでも、もしかしたら……と一%の不安が私を中途半端ポーカーフェイスにしてしまうのだ。

 お待たせしました〜、と店員さんが私たちの頼んだ料理を同時に並べてくれたので、黙々と食べ始める。
 やっぱり一人で考え込むよりも誰かに相談するって本当に心が軽くなった。相談できる相手がいる事は本当に周りに恵まれているなぁと思う。
 
「涼子……」

「ん?」

「ありがとうね」

「また何かあったら言いなさいよ、いいアドバイスは出来なくても聞くことは出来るんだからさ」

 ちょっと泣きそうになったけれど、中途半端なポーカーフェイスで耐えた。
 多分涼子にはバレてると思うけど。
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