ここは会社なので求愛禁止です! 素直になれないアラサー女子は年下男子にトロトロに溺愛されてます。
「もう遅いし、今日は泊まって行きますか? その方が俺も嬉しいし」

「あ〜……でも替えの下着とか無いし、今日はもう少ししたら帰るわ、急に押しかけてごめんね」

 本人は元気そうに話しているつもりなのかもしれないが明らかに何かを隠し抱えている。
 その抱えている何かが晴れてくれるまで彼女の側を一瞬たりとも離れたくない。

「下着は今から洗えば朝までに乾くし、スーツはシワにならないようにハンガーにかけてあるし、あー、ストッキングは今すぐにでもコンビニで買ってきますから、泊まってください!」

「あ……はい……」

 そうと決まれば即座に行動。流石に俺が下着を洗うのは嫌だと言われ彼女が自分で洗うと洗面所に籠った。
 その間に俺は走ってコンビニに駆け込んでストッキングをレジまで持って行った。
 ハァハァと息を切らしながら女物のストッキングを買おうとしておる男、店員さんから物凄い変態を見るような目で見られたがそんなの気にならない。ピッとバーコード決済で瞬殺で会計を済まし走ってアパートに戻った。
 俺はこの寒い季節に一人全力疾走で汗をかいていた。

「真紀! 買ってきたから明日の心配はないよ!」

「あ、ありがとう」

 冷蔵庫を開けミネラルウォータをゴクゴクと一気に飲み干した。
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