ここは会社なので求愛禁止です! 素直になれないアラサー女子は年下男子にトロトロに溺愛されてます。
 ふとお酒が目に入り少しアルコールが入った方が彼女が素直になりやすいかな? と思いお酒を進めてみた。「飲む」と頷くので冷やしておいた缶チューハイを二本冷蔵庫から取り出し彼女に手渡した。

「これ飲んだらゆっくり寝ましょうね」

 プシュッと缶を開け軽くカチンと乾杯をする。
 全力で走ったからか、お酒が美味い。
 彼女は両手で缶を包み込むように持ち、何かを考えているのかボーッと一点を見つめている。
 特に声はかけずにただ彼女の肩に手を伸ばし自分の方に抱き寄せた。

「あのさ……聞きたい事があるんだけど、聞いてもいい?」

 声を振り絞って話してくれたのか、小さい声で彼女は話し始めた。
 もちろん俺は「なんでも聞いて下さい」と返事を返した。
< 172 / 232 >

この作品をシェア

pagetop