ここは会社なので求愛禁止です! 素直になれないアラサー女子は年下男子にトロトロに溺愛されてます。
「じゃ、じゃあ聞くんだけど……私の事いつから好きなの? 入社した日から……だよね?」

 ん? 俺が真紀の事を好きって事をもしかして信じ切れていないとかか?
 確かに出会い頭にキスをしてしまったしな……

「あー……、ん、まぁ真紀に好きだと伝えたのは入社したその日だったんですけど、その……これから言う事、聞いて嫌いにならないでくださいね……」

「もちろん」

 彼女と同じ会社にやっと入社できて、すぐに告白した。その時にちゃんと言えばよかったのかもしれない。でも本当に些細な事で彼女はきっと覚えてないだろう、それが怖くて言えなかった。
 それでも今彼女がこんなにも不安に押しつぶされそうになっているのなら、俺のプライドなんでどうでもいい。

「……じゃあ言っちゃいますと、俺が真紀の事を好きなのは八年前、まだ俺が高校生だった時からです


「……え? だって会ったことないわよね?」

 キョトンと驚いた顔で俺を見つめている。訳の分からない俺の話に動揺しているのだろう。やはり覚えていなさそうな反応だ。
 覚えていないとわかっていても、いざ本人に覚えてない反応を取られると凹む。
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