ここは会社なので求愛禁止です! 素直になれないアラサー女子は年下男子にトロトロに溺愛されてます。
 それからと言うものの誠は金魚の糞のように俺の後をついて周り、猫のように俺の前で甘えるようになった。
 小学校でもクラスが違うのにも関わらず休み時間のたびに俺のところへきて朝も帰りも一緒。
 俺と誠は揶揄うのが大好きな幼稚な小学生の恰好の餌食だった。

 あいつら男同士なのに付き合ってる。
 あいつら施設で暮らしてきて親がいなくて可哀想
 あいつら、あいつら、あいつらと何かと俺と誠は二人セットで揶揄われていた。多分イジメの対象にされていたのかもしれない。何を言われても本当にこいつら馬鹿だな、としか思えず特に腹が立つとかはなかった。
 誠はかなり気にしていつも泣きべそをかいていたがグッと手を握りしめ口をムッとつむり誠なりに頑張って耐えていたのだろう。
 けれど限界が来たのか一人の男子生徒を思いっきり殴ってしまったのだ。
 かなり先生に怒られたが誠がその事件を起こしたおかげでいじめも少なくなり、噂も七十五日と言って暫くすれば揶揄う奴もいなくなった。
 それからは至って普通の毎日だった。
 かと言って友達が増えた訳でもなく常にくっついて来る誠と二人だった。
 そのまま小学校は卒業し、中学に入学した。
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