ここは会社なので求愛禁止です! 素直になれないアラサー女子は年下男子にトロトロに溺愛されてます。
「ね、本当に些細な出来事で俺は真紀に恋をして、今まで頑張ってこれたんだ」

 ベット横のサイドテーブルの引き出しから小さな箱を取り出して彼女に見せた。

「これ、見てくれますか?」

 あの時彼女からサンプルでもらった消しゴムを俺はお守りのように大事に大事にしまっておいたのだ。

「これ……、あぁ! 思い出した! 営業の人が休みでたまたま商品を持って行ったお店にいたバイト君にあげた気がする! それが松田君だったなんて……」

「随分時間が掛かっちゃったけど俺の初恋を叶えてくれてありがとう、真紀」

 彼女は瞳に涙を溜め鼻を真っ赤にして涙が溢れないように耐えている。

「っつ……、こちらこそちゃんと話してくれてありがとう」

「これで俺が真紀に一筋って事分かってくれました?」

 優しく抱き寄せそのままベットに彼女を押し倒した。溜まっていた涙がツーっと流れた。上から見る彼女もまた色っぽくでグッとくる。
 流れた彼女の涙を優しく親指で拭い、そのまま彼女の頭を描き抱いた。
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