ここは会社なので求愛禁止です! 素直になれないアラサー女子は年下男子にトロトロに溺愛されてます。
「水野さん、凄い眉間に皺が寄ってますけど大丈夫ですか?」

「え、ああ、大丈夫よ」

 ブーブーと携帯のバイブ音がデスクの上で鳴り、誠からの返事かもしれないとスマホを確認すると松田からのメールだった。

"今日の夜は何処かで食べていきませんか?"

 チラリと隣を確認すると返事に期待をしてワクワク感が溢れ出ている松田。
 ごめん! と思いながら返事を返した。

"ごめん! 今日は用事があるからまた今度"

 松田のスマホのバイブ音が鳴り携帯を確認するなりデスクに顔を突っ伏して落ち込んでいた。
 なんてわかりやすい生き物なんだろう……そんな松田が可愛いと思ってしまう自分も重症だ。

"残念ですけど、じゃあまた明日にでも"

"じゃあ明日は夜で、今日はランチ行かない?"

"行く!!!"

 松田を見るとパァアっと明るい笑顔に戻りニコニコしながらパソコンのメールチェックをしている。
 本当に素直で可愛い。
 松田に返事を返したのにまだ未読のメールがある事に気づき、開くと誠からの返信だった。

"いいよ、じゃあ駅前の海鮮居酒屋に八時集合ね"

 よかった。誠が会ってくれることにホッと胸を撫で下ろした。
< 194 / 232 >

この作品をシェア

pagetop