ここは会社なので求愛禁止です! 素直になれないアラサー女子は年下男子にトロトロに溺愛されてます。
「あー頭痛い」

 今までの何十倍も辛い二日酔いで目が覚めた。ズキンズキンと割れるように頭が痛いのと、何か食べたら吐きそうなほどの気持ちの悪さが自分がどれだけお酒を飲んだのか思い知らされる。

 結局昨日はあのまま松田に何があったのか聞く事も出来ず次の日も仕事だったので家まで送ってもらったが明らかにいつもの松田ではない事は分かった。

「あ! 誠さんに連絡しないと!」

 誠宛にメールを送信する。

"昨日はいつの間にか潰れちゃってたみたいで本当にご迷惑をおかけしました。私の負けですよね……
支払いも誠さんが払ってくれたと松田君から聞きました。今日仕事が終わってから昨日の支払い分をお返ししたいんですけど、時間ありますか? なければポストとかに入れておきます!"

 返事が来ますように……と祈り鞄にスマホをしまった。
 ズキンズキンと頭が割れそうなほど痛く、耐えられないので痛み止めを飲み会社に向かう。
 いつも通り会社のドアを開けると松田が……居ない。

「え……」

 時間を確認してもいつもならもう来ているはずの松田が居ないので、もしかしてまた風邪!? と思い急いで松田のスマホに電話をかけると着信音が真後ろから聞こえて来る。
 まさか? と思い後ろに振り返るとそこには松田が立っており、「今日はほんの少し寝坊しちゃいました」とニコニコ笑っていた。
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