ここは会社なので求愛禁止です! 素直になれないアラサー女子は年下男子にトロトロに溺愛されてます。
 その後も松田が私にちょっかいを出す事は無く、あっという間にお開きの時間になった。
 明日も仕事のため二次会は行わない。
ゾロゾロと店を出て解散した。

「真紀! 送って行くよ」

「悪いよ、橅木の家真逆じゃん」

「いーの、夜風に当たりたいから」

 私の返事の有無を聞かずにグイッとわたしの腰を抱き寄せ駅に向かって歩き出す。

「橅木さんっ!!!」

 いつにもなく大きな声で松田が橅木を呼び止めた。

「おー、松田! お疲れさん、気をつけて帰れよ!」

「っつ……いや、俺水野さん家の近所なんで俺が責任持って橅木さんの代わりに送って行きますよ」

「あ、そうなの? 近所なら一緒に帰ろうぜ」

「橅木さん遠回りになるんですよね? 俺が送ります」

「ん〜、じゃあ松田にお願いすっかな! 真紀、お疲れさん」

 スッと私の腰から橅木は手を離し反対方向に歩いて行った。
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