ここは会社なので求愛禁止です! 素直になれないアラサー女子は年下男子にトロトロに溺愛されてます。
 本当は今すぐにでも抱きしめて唇が溶けるんじゃないかってくらい深いキスをして、身体中にもキスをして体の隅々まで愛してとろとろに蕩けるまで抱きたい。
 でもこれ以上一緒にいたら理性が吹っ飛びそうだったので彼女のを送って行くことにした。
 少し気まずいのか彼女の口数が減った。でもそれでいい、少しでも俺の事を気にして考え欲しい。

「水野さん、今日はすごい楽しかったです、また会社で」

「私も今日は楽しかったわ、じゃあまた」

「水野さん」

「な、何?」

「好きだよ」

「んなっ! 分かったから! 早く帰りなさいっ」

「ははは、いつもの水野さんだ、じゃあまた」

 「もうっ」とプンプンしながら彼女は部屋に入っていったのを見送り車を走らせ自宅に戻った。

「……楽しかったな」

 夢のような時間だった。さっきまでこのソファーに彼女が座っていたなんて。お詫びにデートとか言ったが本当はただデートがしたかっただけなんだ。
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