ここは会社なので求愛禁止です! 素直になれないアラサー女子は年下男子にトロトロに溺愛されてます。
 知らなかった。確かに松田は顔もよければスタイルも良い。モテるだろうとは思ったが他の部署の子から告白されてたなんて、きっと他にも色恋沙汰なんて沢山あるだろう。
 そんなモテる人が私の事を好きだなんて……何度考えても謎だ。

「私……そんなに松田君のこと見てるかな……」

「まぁ他の人は分からないけど、長年の付き合いのあたしには分かるよ、あー見てるなって」

「そう……」

 私は無意識に松田を見ていたのだろうか……

「ま、とりあえず頼もう、あたしはもう決まってるけどね〜」

 涼子は必ずと言って良いほどチーズハンバーグを頼む。決まっていると言うことはチーズハンバーグを頼むのだろう。急いでメニュー表を開き私は和風ハンバーグに決めた。

「涼子……好きってなんだろ」

「っつ……喉に詰まるところだったわ!」

「良い歳した女が好きってなんだろって終わってるよね」

「そんな事ないよ、大人になったからこそ考えて考えて慎重になっちゃうんじゃない? この歳になると周りの目もあって気になるわよね」

「年下のイケメンでしかも会社の後輩と思うと……」

「でもさ、好きって理屈じゃないって言うじゃん、気づいたら好きになってたってやつ? ドキドキが止まらない〜、一人でいる時に必ず思い出しちゃう〜みたいなさ、あー、あたしももう一回恋したいわ〜」
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