ここは会社なので求愛禁止です! 素直になれないアラサー女子は年下男子にトロトロに溺愛されてます。
 午後からの仕事は心ここに在らずといった感じでつい、昼間の涼子との話をして思い出してしまう。

「水野ちょっといいか」

「あ、はい」

 木島部長に呼ばれ席を立ち、部長の元へ行くととんでもない事を命じられた。

「はい!? な、なんで私が松田の様子を見に行かないと行けないんですかっ」

「頼むよ、多分松田頼れる人が周りに居ないと思うからさ」

「んな! だったら部長が行けば良いじゃないですか!」

「俺はまだまだ仕事が残ってるからな! 頼むぞ」

 私の肩をポンっと叩きその場から逃げるように立ち去って行った。部長は頼る人が居ないと言っていたけど……いや、大人だし! と思いつつも仕方なく定時で仕事を終わらせ松田の家に向かう事にした。
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