強面お巡りさんはギャルを愛しすぎている
洗面所であれこれとしていたら修一郎さんのいつもの就寝時間をとっくに過ぎていた。彼の真面目さは生活習慣にも出ている。
すでに暗くなった部屋は、私の枕元だけブックライトが点いていて布団に入りやすいように配慮してくれている。
音を立てないように忍び足でベッドへ近づき、ゆっくりと布団の中へ入った。
修一郎さんはこちらに顔を向け眠っている。目を閉じた顔は羨ましいほどの長い睫毛に美しい鼻筋。起きている時もカッコイイが寝ている顔もカッコイイ。反則だ。
(触りたい……)
ゆっくりと手を伸ばし、サラサラの黒髪を優しく撫でた。薄暗い部屋に浮かぶ男らしい薄めな赤い唇に目が行く。
欲を言うなら、頭を撫でるんじゃなくて帰宅した時はおかえりなさいのキスがしたい。朝は起きたらおはようのキスもしたい。でもやっぱり私からはそんなことは言えない。修一郎さんに嫌われるのが一番怖いから。
(好き、大好き……)
見つめて想いが溢れそうになると下腹部が熱くなっていく。布団から少し出ているゴツゴツした男らしい指。
(この手で愛してほしい)
指に触れようと手を伸ばそうとしたが自制心が働いた。