強面お巡りさんはギャルを愛しすぎている
West boyの本社を後にし、その足でノベルティの外注先との打ち合わせを済ませた。普段から外回りは多いが、今日はかなり神経をすり減らした気がする。
社内に戻り今日の打ち合わせ内容をまとめて、羽鳥さんと情報共有と進捗状況の確認。イベント当日のアルバイトの募集手配など毎日大忙しで残業する日が続いた。
それから三日後、イベントブースのデザイナーから届いたデザインデータをチェックし終わりブルーライトカット眼鏡を外した。ずっと前かがみになっていたせいか背中がバキバキに痛い。
「ん〜〜」
天井に向かって大きく伸びをし、肩をぐるっと回しながら時計を見る。
「うんうん、十八時か。って、ええ?! 十八時?!」
もうとっくに定時を過ぎていた。周りの人がまだ残っていたせいかまったく気付かなかった。
「やばっ! 修一郎さんに連絡入れておかないと!」
どうしても夕食は手作りにしたかったが、今回は無理そうだ。いつもだったら、残業する日は前もって夕食を仕込んでタッパーに保存していたが、ここ最近は疲れてしまい今朝はその作業をする気力がなかった。もとい、今日こそは定時で帰る気でいた。
スマホを手に取り修一郎さんに遅くなる旨の連絡を入れて、夕食は外食でお願いした。彼からすぐに返事が返って来て、文句を言うこともなく私の体を気遣う内容で顔が綻んだ。