強面お巡りさんはギャルを愛しすぎている

 お財布を手に持ち、家の鍵を閉めドラッグストアへ走った。
 手に持っていたメモは、雑誌の中からドラッグストアで手に入るプチプラコスメを抜粋してきた。
 ドラッグストアの入口でカゴを手に取り、すぐにコスメコーナーへ向かった。

「ファンデーション……ファンデーション……」

 大きめなドラッグストアなので品揃えが豊富だった。今まで校則で化粧は禁止されていたので種類の多さに圧倒させられた。
 雑誌に載っていたメーカーの商品棚の前に立つ。メモを見返すと、リキッドファンデーションで土台を作りパウダーファンデーションで肌質を上げるとあった。下地も使うとさらにファンデーションのノリがよくなるのだとか。
 ギャルになるにはなるべく色味は暗い色の方がいいのだろう。

「えーっと、ダークオークル? が一番暗そう」

 テスターと書かれた蓋を開け、ダークオークルを人差し指の腹で擦り、手の甲に乗せた。

「ひぃッ……めっちゃ黒いじゃん」

 白い手の甲には、まったく肌に馴染んでいない濃いファンデーションが異彩を放っていた。とりあえずよくわからなかったので下地と同じダークオークルのリキッドファンデーションとパウダーファンデーションをカゴに入れた。
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