強面お巡りさんはギャルを愛しすぎている

「ふぅー! 終わった〜!」

 小鳥遊さんの家に通うようになって二週間が経った。
 数学の課題範囲を解き終わり、顔を上げると小鳥遊さんは背筋を伸ばし腕を組みあぐらをかきながら眠っていた。

 (武士かなんかなのか? よくそんな格好で寝れるな……)

 近くにあった膝掛けを膝にかけてあげた。疲れているのか起きる気配はない。

 長いまつ毛に綺麗な鼻筋、きめ細やかな肌質に鼓動が速くなる。

 (キス……したい。初めてするなら小鳥遊さんがいい)

 寝ている彼の唇にそっと唇を重ねた。触れるだけのキス。唇に感触が伝わるとすぐに離れ小鳥遊さんの様子を伺ったが起きる気配もなく、静かな寝息が聞こえた。

 ふぅーと小さく息を吐き、小鳥遊さんの横に座り肩に頭を乗せた。

 最初は優しい大人のお兄さんという感じだったのに、私は小鳥遊さんに恋心を抱いていた。
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