強面お巡りさんはギャルを愛しすぎている


 久しぶりに学校に行くと創立以来の問題児だと担任やら生徒指導の先生にこってりしぼられた。他の生徒に悪影響だと髪を黒く染め直せや、肌を戻せと言われ、髪を戻すまでは保健室登校を命じられた。
 昼間はきちんと学校に行くようになりここ最近渋谷に行くのは夕方だった。渋谷駅のトイレでメイクをし、交番の前を通りかかった。

「もしかして、小鳥遊さんいるかもしれない」

 (今日の小テストで、満点取ったの見せて驚かせてやろう)

 そっと交番の横に立つと、中から話し声が聞こえてきた。

「いやー渋谷のギャル達は逃げ足速いよな。年々追いつけなくなってくわ」
「先輩それは単に運動不足なんじゃないないですか」

 小鳥遊さんの声だ。何やら誰かと話をしているようだった。

「んだと! でもよぉ、この辺のギャルって可愛いよな〜!」
「そうですか?」
「俺はわりとタイプなんだよなー。小鳥遊はどう、ギャルって?」
「…………嫌いですよ」

 (え……)
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