強面お巡りさんはギャルを愛しすぎている
確かに小鳥遊さんの声だった。鈍器で頭を殴られたようにクラクラとしてきた。
「そうだよなー、ってかお前そろそろ研修終わりだろ? お前の好みそうな清楚系美人がいる店知ってんだよ。次の非番で行こうぜ」
もう続く会話は頭に入ってこなかった。私は来た道を引き返し、電車に飛び乗った。ギリギリのところで扉が閉まり、電車はゆっくりと動き出した。カーブで体がよろけると扉に全身を預けるようにもたれかかった。
「小鳥遊さんってギャル嫌いだったんだ。同情で友達になるって言ってくれてたのかな……って当たり前か。だって年の差ありすぎるでしょ。おっさんと友達とかウケる……」
ボソボソと呟くと涙が込み上げてきた。電車の中で大声で泣いた。近くに立っていた人達は突然泣き出したギャルを見て車両を移っていく。そんなことお構いなしに泣き続けた。