強面お巡りさんはギャルを愛しすぎている
ベッドの揺れる感覚で目が覚めた。
(いかん、寝てしまってた)
彼女の様子が変だったので寝ずに待っていようと本を読んでいたが、気付けば意識がなくなっていた。
菜摘がベッドに入って来たのはあれから、二時間後だった。彼女の風呂は長い。女性だから色々ケアがあるのだろうが、少々長すぎる。
「あ、ごめなさい。起こしちゃいました?」
「いや、平気だ。おいで」
腕を上げ懐にスペースを作ると彼女は嬉しそうに擦り寄ってきた。
(可愛い。なんて可愛い生き物なんだろうか)
強く抱きしめると折れてしまうのではないかというぐらい華奢な体。
お揃いのパジャマを纏う彼女からほのかに甘い香りがする。思えばこの匂いはベッドの中でもほんのり香っていた。
「この匂い……菜摘の体臭なのか?」
「た、体臭?!」
クンクンと体の匂いを嗅ぎ始めた彼女は血相をかいていた。
「薔薇の香りがする」
「……それはボディークリームであって、体臭じゃありません!」
腕の中の彼女を見るとこちらを上目遣いで不機嫌そうに顔を赤くさせていた。
その表情にプツンと俺の中の理性は切れた。ちょっと抱きしめて菜摘成分を充電しようと思っただけだったが、そんな顔をされたら物足りなくなる。