強面お巡りさんはギャルを愛しすぎている
「修一郎さん! 起きてください!」
菜摘の声で目が覚めた。本当は低血圧で朝は頭がボーッとする。でも格好悪い男だと幻滅されたら嫌だったからそんな素振りを見せなかった。
「起きてください! 仕事、遅れちゃいますよ!」
痺れを切らしたのか布団を捲り上げられ目が覚めた。そうだ、昨日菜摘の帰りが遅かったから言いそびれてしまっていた。先週休日出勤をした分の振替休日を取得していた。
「おはよう」
「おはようございます。寝坊なんて珍しいですね」
「あぁ、俺今日非番なんだ」
「え?! そうだったんですか?! 何で言ってくれなかったんですか! すみません、起こしてしまって」
彼女再び布団を掛け、申し訳なさそうな顔をしていた。
立ち去ろうとする菜摘の手を引き、布団の上に倒れ込ませた。布団に倒れた彼女は目を丸くしてビックリしている。その顔も可愛い。
「一緒に食事を取るよ」
「え、でも……」
「一緒に食べたいんだ」
昨日一緒に食事を取れなかっただけでも、体を重ねてその分を埋めたいと思ってしまう。
本当なら仕事も行かせず四六時中抱いて、片時も離れずそばにいたい。
だからって今日も抱いたら彼女は本当に倒れてしまうかもしれない。そんな性欲を抑えるためにも休みの日でも彼女と同じ生活リズムを取ると決めていた。
「一緒に食べれて嬉しいです。今日のお味噌汁は、修一郎さんの好きなじゃがいもと玉ねぎです」
「それは楽しみだな」
幸せそうにする彼女の頭を撫で、一緒に寝室を出た。
俺の重い愛に気付いたら、彼女が去ってしまうのではないかと怖かった。