強面お巡りさんはギャルを愛しすぎている
そんなことを続けて六年が経った。
ルーティンになっていた夜の渋谷を歩き彼女を探していると、若い女性が男たちに囲まれていた。
(渋谷はやはり、こういうのが多いな)
もうここの管轄ではない。だが業務外とは言え自分は警察官であり、こういうのは見過ごしてはいけない。
「お兄さんたち、ちょっとよろしいですか。こちらの女性は嫌がっているように見えますが」
男の手を掴み、女性を見て俺は目を見開いた。
――彼女だ。
見た目はまるで別人のようだったが、彼女が纏う空気感はあの子と一緒だった。
「ちっ、連れがいたのかよ」
男たちは去っていくと、彼女は目を輝かせてこちらを見た。
(俺だと気付いたのか?)
「あの、助けていただきありがとうございました」
丁寧に頭を下げる彼女は一瞬別の人かと疑いたくなる。昔の彼女なら、相手にベラベラ文句を言うはずだが目の前の女性はもじもじと恥ずかしがっていた。