強面お巡りさんはギャルを愛しすぎている
7章 身から出た錆
「ただいま帰りましたー」
「おかえり」
なんとか定時ちょっと過ぎ仕事を終わらせられた。ヘトヘトで帰宅するとリビングの扉が薄っすら開き、そこからひょっこりと修一郎さんが顔を出した。
(何故出てこない?)
不思議に思いながらパンプスのアンクルストラップを取っていると廊下まで香ってくる匂いにクンクンと小鼻が動いた。
「あれ? もしかしてご飯作ってますか?!」
「ああ、カレーだけどな」
「えー! お休みだったんですからゆっくりしてればいいのに」
リビングに入ると修一郎さんは私のパステルオレンジの水玉模様があしらわれたエプロンを着ていた。あまりの似合わさに思わず吹き出しそうになったが必死に堪えた。
「もうすぐできるから、手洗っておいで」
「はーい」
エプロン姿の修一郎さんを拝められるなんて、なんてラッキーなんだろうか。こういうちょっと抜けているところも大好き。ラブが止まらない!
ルンルン気分で手洗いうがいを終え、リビングに戻るとテーブルにはランチョンマットが敷かれその上にサラダとカレーが置かれた。
(そういえば昔、修一郎さんが作ってくれたカレー食べたな……)
「美味いかどうかわからないが……」
確かにあの時のカレーは不味かった。修一郎さんが向かいに座ると手を合わせた。
「いただきます」
「どうぞ」
不揃いの野菜がゴロゴロと入っているがお肉が見当たらなかった。
「あれ? お肉は?」
「あ……すまん、忘れた」