弓木くんはどうやらわたしが好きらしい

𓐍
𓏸



お腹が満たされて、歯磨きもして (歯ブラシは未開封のものをもらってしまった、今度ちゃんと返さないと!) 。


そしたら、夜がやってきてしまう。




「俺、リビングのソファで寝るから。中瀬は俺の部屋のベッド使って」

「えっ、それはだめだよっ! わたしは泊めてもらってる身なので、それこそソファとか、むしろ床とかで」

「いいから、大人しくベッドで寝なって」

「いや、無理です!!」



だって、そんなの申し訳なくて眠れない。


そもそも弓木くんの家なんだから、その弓木くんを差し置いてわたしがいい環境を与えてもらうわけには……。


不毛な攻防戦、のち。




「じゃあ、一緒にベッドで寝るか」

「……へ?」

「それなら文句ないだろ」

「へ!?」



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