弓木くんはどうやらわたしが好きらしい
「寝るよ」
弓木くんにベッドの上に招かれるけれど。
これって、どう見ても、シングルベッド……。
ふたりで寝るにはどう考えたって狭すぎる。
寝れないことはないだろうけれど、でも、こんなの。
ためらっていると、弓木くんがわたしの腕を捕まえて、引いた。
「わ、わっ」
バランスを崩して、その拍子にベッドの上に乗ってしまう。
そして、いざ乗ってみるとさらによくわかる。
「や、やっぱり狭いよね……っ? わたし、今からでも床に────」
「逃げるの禁止」
「ひゃっ?!」
ベッドから抜け出そうとしたわたしを、弓木くんが取り押さえる。
不可抗力で、マットレスの上に転がされてしまった。
ふたり分の体重を受けて、スプリングがギシッと軋む。
「ゆ、弓木くん」
「取って食ったりはしねーよ。だから、安心して」
「……っ」