弓木くんはどうやらわたしが好きらしい
嵐は去って、また嵐
♡
𓐍
𓏸
SIDE/ 中瀬このか
「ねえ、この。一体どういうことなの?」
「ちょっ、一旦落ちついて───……」
「なに? このごときが私に隠しごとするって?」
「今、“ごとき” って言った!」
「いいから、さっさと白状しなさいよ」
ドンッ、と目の前にカツ丼が置かれた。
まるで刑事ドラマの取り調べ室────実際は、学食にて。
みかちゃんに連れ出されて久しぶりに来たけれど、昼休みはやっぱり混雑するみたいだ。
人がひしめきあっている。
ていうか、みかちゃん、我が物顔で突き出してるけど、そのカツ丼はもともとわたしが頼んだものだ。
「白状って、なにを」
「しらばっくれないでよ。すごいウワサになってるんだから! このが弓木千隼の愛人だって」
「っ、ごほっけほっ、うっ」