弓木くんはどうやらわたしが好きらしい


「このがまだ話したくないっていうなら詳しくは聞かないけどね」

「……!」



みかちゃんは策士だ。

押して押して、肝心なところで潔く引く。



「……ええと、じつは」




そうすればわたしが洗いざらい話してしまうことを知ってるんだ。

みかちゃんには昔から隠しごとができない。


でもこうやってみかちゃんが詰め寄ってくるのは、わたしが心のどこかで「誰かに聞いてほしい」って思ってるときだけ。



千隼くんのことも……。


ずっとひとりでぐるぐる頭をいっぱいにしていたけれど、みかちゃんなら何て言うかなって気になっていた。




「────かくかくしかじかでして」




ユウジくんと別れてから今に至るまでのこと、千隼くんとわたしのこと、順を追って説明する。


ぽかーんと口を開けてわたしの話を聞いていたみかちゃん、開口一番に言ったせりふは。



「はあっ? 仮のカノジョ?」

< 131 / 265 >

この作品をシェア

pagetop