弓木くんはどうやらわたしが好きらしい

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「あんたが中瀬このか?」




みかちゃんの杞憂だと思いこんでいたのだけど。


その “まさか” が現実になるなんて。
……言霊って、ほんとうにあるのかも。




「中瀬、このか、です」

「へー。ウワサどおりどこにでも転がってそうな女じゃん」




キャハハ、と笑い声が上がる。


放課後、帰ろうとロッカーからローファーを取り出そうとしたタイミングで知らない女の子5人にぐるり、取り囲まれてしまった。

制服のリボンが紺色、ということは先輩たち。




「あのう、お名前をうかがっても」




誰なんだ。

知らない人にこうやって急に囲まれたら、そう思うのも当然で。


純粋に疑問をぶつけると、わたしの真正面に立つふわふわサイドテールの先輩が眉をつりあげて。



「はあ? 名前なんて今どーでもいいから」

「え」



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