弓木くんはどうやらわたしが好きらしい
「へ!? な、なんで?」
「連絡するから無視しないでね」
「なっ」
なにか接点あったっけ、わたしと逢見くんって。
いやいやないない、何もない。
たった今出会ったばかり、はじめて話したばかり。
「連絡って、なんの……」
「今度、ふたりで会おーよ」
「!? ま、待って意味わかんないよ」
1段とばしどころじゃない。
2段も3段も一気に飛ばして、急展開。
ついていけないのは、わたしのせいじゃないと思う。今回ばかりは。
「いきなりすぎないですっ?」
「んー、だって俺、このちゃんのこともっと知りたいし」
「どうして……」
「気になるんだよね」
タレ目の奥の深い色の瞳から逃げられない。
そろーり視線をそらそうとすると、すぐさま顎を掴まれてくいっと元の位置に戻されてしまった。