弓木くんはどうやらわたしが好きらしい
だけど、そんな言い訳が通用するとは思えないし……。
頭をひねってしぼりだしたのは。
「みみみ、みかちゃんと! みかちゃんと約束があるから! 一緒にお昼食べるって!」
口からでまかせの真っ赤な嘘。
『ふーん残念ー』
「じゃあね!」
ブチッと勢いまかせに通話をきる。
ほんとうに、逢見くんはどういうつもりなんだ。
いや、わかるよ。
面白がってるだけなんだ。
どこがお気に召したのかはわからないけれど、新しいおもちゃを見つけた子どもみたいになっているだけ。
わたしを追いかけまわして、なにが楽しいのやら……。
「はあ……」
盛大にため息をついて、鞄からお弁当を取り出す。
今日は教室で平和なお昼休みを過ごすはずだったのにぃぃ。