弓木くんはどうやらわたしが好きらしい
「ねえみかちゃん……、初めて会ったばかりで、まだちょっとしか話したことのないひとが、やたらと追いかけてくるってどういうことだと思う……?」
「ストーカーの話でもしてる?」
「いや、違……」
さすがにストーカーではない、はず。
「ふつうに考えたら、このに一目惚れしたとか」
「その線はないと思うの」
遊ばれてる、だけなんだと思う。
いったい、逢見くんは何を考えているのやら。
「このの話だけじゃ、さすがにわかんない。そいつ、どんなヤツなの」
「その名を逢見く────」
名前を口にした、ちょうどそのタイミングで。
とん、と肩に誰かの手のひらがふれる。
冷や汗がたらりと背中を伝った。
「それ、俺の話?」