弓木くんはどうやらわたしが好きらしい



だけど、浮かない曇り空みたいだった逢見くんの表情が爽やかに晴れ渡っていることに気づいて。




「えへへ。逢見くんが元気になったならよかった」





目の前であんなどんより暗い顔されたら、さすがに気になっちゃうもん。



ふにゃっと相好を崩したわたしに、なぜか逢見くんはぴしりと固まる。

それから「あー……まじか、嘘だろ」となにかもごもご呟いた。





「逢見くん? わたしの顔になにかついてますか」

「いや。……千隼が特別扱いしてる女なら、腹いせに近づいて奪ってやろーと思ってただけだったのに、たった今全部狂ったなーって思っただけ」

「?? もっとわかりやすく言ってくれないとわかんない……」

「うん。今度もっとわかりやすく言ってあげるよ」




今度?



きょとんと呆気にとられるわたしを、逢見くんはじっと穴が開くほど見つめてくる。

やっぱりわたしの顔になにかついてる?



でも、それにしてはやけに熱っぽい視線。





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