弓木くんはどうやらわたしが好きらしい


「ってことで、これ、私からプレゼント」

「えっ、やったあ嬉しい〜! 開けてもいい?」




みかちゃんからキラキララッピングの小包を受けとって、わくわくしながらリボンをほどく。


中から転がり出てきたのは、かわいいデザインのリップだった。

乙女心がきゅんと飛び跳ねる。




「わ〜っ、かわいーっ! これ、最近よくインスタで見るやつだっ」



さすがは流行に敏感なみかちゃん様である。

ええと、色の名前は……。




「 “ヒロインピンク” ?」

「ね、可愛いでしょ」




蓋を開けると、ぱっと華やかな甘くてかわいいピンクが現れた。

まさに名前のとおり、主人公っぽい色。




「だけど、わたしが付けるにはかわいすぎるんじゃ……」

「なーに言ってんの! 絶対似合うから!」




それに、とみかちゃんは付け加える。




「なんでかわからないけど、最近この、ぐっとかわいくなったよね」




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