弓木くんはどうやらわたしが好きらしい
「独占欲、やばすぎ。お前のものでもないくせにさー」
「見てらんねえだけ。逢見のテキトーなちょっかいに引っかかるところとか」
ギロリ、睨む千隼くんの視線を受けて逢見くんは肩をすくめる。
「勝手にテキトー呼ばわりしてくれるけどさー」
「……は」
「本気だったら文句はないってことだよな」
逢見くんも、千隼くんを睨み返した。
それはほんの一瞬で、気のせいだったかもしれないけれど。
おろおろするわたしの頭に、逢見くんの手のひらが伸びる。
くしゃっと一撫でして、逢見くんは「じゃーね」と背中を向けた。
うーん、千隼くんと逢見くんの関係ってよくわからないなぁ、と思っていると。
「……ほんと勘弁して」
千隼くんがわたしの髪にそっとふれた。
それは、逢見くんが触った場所。