弓木くんはどうやらわたしが好きらしい
困惑するわたしの手のなかでミルクティーがどんどんぬるくなっていく。
逢見くんは、ふっと口角を上げて、覚悟を決めたようにわたしを見つめた。
「さっきの質問の答えだけどさ」
「……?」
「俺は、ぶちまけるよ。脈が死んでても、なにかがぶっ壊れるとしても、……困らせて引っかき回すくらいのことはさせてくんないと踏ん切りもつかないしねー」
ってことで、と逢見くんはわたしの手のひらを両手できゅっと握った。
「好きだよ。自分に惚れてる相手に恋愛相談できちゃうくらい鈍感で無神経なこのちゃんのこと」
「……えっ?」
「なにとぼけた顔してんの。真剣告白してるんだけど」
空耳かと思った。
なんて、冗談でも言えないくらい逢見くんは本気の顔をしていて。
「あーあ、ほんとは、まだ言うつもりじゃなかったのになー。このちゃんとことん鈍いから、千隼のこと好きだって一生気づかないのかと思ってたし、それなら俺にだってワンチャンあるかなとか思ってたのにさあ」